スターフルーツ

分類 カタバミ科 ゴレンシ属 常緑性高木
原産地 マレーシア、熱帯アジア
耐寒温度 5℃
生育適温 20~30℃

スターフルーツ(star fruit)は、果実の断面が星型になるところからこの名が付いています。別名、五歛子(ゴレンシ)、カランボラ、中国語では楊桃(ヤンタオ)とも呼ばれます。黄色く完熟したものはジャスミンのような香りでナシのような甘味がありとてもジューシーです。また、青い状態で収穫してサラダに利用することも多いようです。熱帯果樹のなかでも耐寒性があり比較的容易に栽培することができ、花や果実の見た目もよく鑑賞も兼ねて楽しむことができます。実生の場合は5~6年で結実します。

スターフルーツ

品種・種類

日本では、品種名で呼ばれているものがほとんどなく、酸味の程度から甘味系と酸味系で分類されています。甘味系の糖度は10~12度程度で、品種名があるものでは、肉厚で大実「マレーシア」、甘味が強く100gほどの大きな果実がなる「タイナイト」、大実で強い甘味がある「ハニージャンボ」、台湾原産の「蜜桃(みつとう)」、近年では、沖縄産の「南星」、卵形で甘酸っぱい味が特徴の「美ら星(ちゅらぼし)」(米国農務省から導入した「カーリー」の選抜品種)や甘味が非常に強い「Hub(ハブ)」などがあります。

スターフルーツの鉢植え ハニージャンボ
大実スターフルーツ 【ハニージャンボ】 接木大苗 [花ひろばオンライン]

特徴

本来は、高さ8~14メートルになる常緑性高木です。樹勢は生育するにつれ強くなっていきます。枝は垂れ下がり、折れやすい性質があります。葉は幅4cm、長さ10cmほどで3~6対あり、夜になると垂れ下がる(葉が閉じる)習性があります。葉っぱが黄色く変色して一部落葉したりすることもありますが生育不良ではありません。

スターフルーツの木
スターフルーツの葉

春先に白色またはピンク色の1cmほどの小さな花がたくさん咲きます。通常古い枝先につきますが、まれに幹に直接つくこともあります。自家受粉するので一本で実がなります。

スターフルーツの花

果実は幅6cm、長さ15cmほどで5本の稜(りょう)が立っています。熟すと果皮は緑色から黄色になり光沢が出てきます。果肉は半透明で多汁質、サクサクとした食感で皮ごと食べられます。スライスすると星型になります。

スターフルーツの実の断面
ゴレンシ、スターフルーツとも呼ばれる

スターフルーツの実

タネの蒔き方

完熟した果実を食べたその日に種を蒔きます。実の中心部に平らで柔らかい種子があります。カットするときに種を切らないように慎重に摘出します。

スターフルーツの種子
品種にもよりますが種子は少なく、↑メロンのタネのような薄っぺらい種子が3つくらい入っています。(写真は「美ら星」の果実と種子)

種の周りの果肉を綺麗に取り、種まき用培養土やジフィーセブンなどに蒔きます。かるく覆土して発芽までは土が乾燥しないように管理します。早くて1~2週間、遅くても1、2ヶ月くらいで発芽します。

スターフルーツの発芽
10月に種まきして12月頃に発芽開始!寒い時期は室内(20度くらい)で管理しましょう。

栽培のポイント、冬越し

高温多湿の日当たりを好みます。生育適温は20~30℃で、最低気温20℃を保てば年に3回は収穫ができます。春から秋までは、屋外の直射日光の当たる場所で管理します。枝や葉は風に弱いので防風対策をしておくと良いでしょう。夏の30℃以上になる高温期でも生育に支障はありません。冬は室内に取り込み、日当たりの良い窓際などで管理します。最低温度が5℃、できれば10℃くらいあれば安心できます。1日の温度変化が10℃以上あると弱ってしまい最悪枯れる恐れがあるので、室内の温度管理には注意しましょう。

用土と肥料、水やり

水はけがよく肥沃な用土(pH5.5~6.5)を好みます。自分で配合する場合は、赤玉土6、腐葉土2、川砂2など。肥料は、5月、7月、9月に有機質固形肥料や緩効性化成肥料などを規定量あたえます。成木になったら、肥料の窒素分が多いと実付きが悪くなってしまうので注意します。水やりは、土の表面が乾いたら、鉢底から水がでるまでたっぷりと与えます。冬でもたっぷり水やりします。夏は乾燥しやすいので特に水切れにならないように注意しましょう。

仕立て方と剪定、植え替え

古い枝に花芽がつくので、基本的に剪定はあまりする必要がありません。仕立て方は、スタンダード仕立て、主幹形仕立て、模様木仕立てなどがよいでしょう。幼木のころは、切り詰め剪定を繰り返し樹形を整え、成木になったら間引き剪定を中心によい枝を残していきます。剪定時期は3~4月頃、9~10月頃が適しています。植え替えは、2年を目安に根が詰まってきたら鉢増しを兼ねて植え替えてやります。不自然に葉が落葉したり葉が閉じっぱなしの場合は根詰まりしている可能性があります。植え替え時期は生育適温期であれば問題ないでしょう。苗からの場合は6~7号鉢に植えつけ、徐々に植え替えを繰り返していき、最終的には10~12号鉢にします。

スターフルーツの実付き苗
接木苗だと実付きの状態で販売されていることもある(高さ約60cm、18cm鉢入り)


人工授粉

自分の花粉で結実します。ミツバチなどの昆虫が少ない環境では、花がある程度まとまって咲き始めたら筆などで人工授粉をしてやります。

スターフルーツの結実

結実しにくい場合は、開花~満開をすぎたころまでに、ジベレリン(着果促進剤)100~200ppmを3~4日おきに3回くらい散布するとよいでしょう。別品種の花粉で受粉しても結実率が上がります。たくさん結実したら、果実は小さいうちに葉が10枚につき1果を目安に摘果します。

収穫と食べ方

開花後、およそ120~150日たつと成熟し収穫可能になります。果実にハリとつやがでてきて黄色く完熟したら収穫します。少し青い未完熟で収穫して室温で追熟もできます。自分の好みで収穫すると良いでしょう。黄緑色のときに食べると酸味が強く歯ごたえがあります。黄色のときに食べると酸味が少なく甘味が増してやわらかくなります。

スターフルーツの食べ方
切ると星の形に見えるスターフルーツ

食べ方は、星形の5つの角に渋みがある場合は、角の部分を少し削ぎ落とします。皮ごと1cm間隔で輪切りにスライスして食べましょう。 生食のほか、ジュースやピクルスにしてもおいしくいただけます。
スターフルーツ トッピング
レモンのようにトッピングにも使えるスターフルーツ!

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