ジャボチカバ

分類 フトモモ科 キブドウ属 常緑中高木
原産地 ブラジル南部
耐寒温度 -3℃
生育適温 15~30℃

ジャボチカバ(jabuticaba)は、別名、木葡萄(キブドウ)とも呼ばれ、ぶどうの巨峰とそっくりな実を幹や枝に直接つける一風変わった熱帯果樹です。果実にはブルーベリーを上回るポリフェノールやビタミンCが含まれており、味や食感はナタデココをやわらかくした感じ、ライチやカルピスの味がするともいわれます。更に一年を通じて何度も収穫ができます。収穫後は、ほんの数時間で味が変わってしまうので、一般にはほとんど流通することがありません。鮮度の良いものを生食するには自家栽培するしかないようです。ゆっくりとした成長ですが、幹が太くなるにつれ収穫量がふえるので一本あれば重宝します。樹形も美しく観葉植物や盆栽としても楽しめます。病害虫にも強く耐寒性もあり育てやすい熱帯果樹です。実生の場合は結実まで6~10年かかるそうです。

ジャボチカバの大株

品種・種類

四季なり性大葉系、中葉系、年2回収穫の小葉系に分かれます。小葉系のほうが耐寒性に優れおり、関東以西の地域なら庭植えもできます。

サバラ
大葉系。四季なり種。葉は長卵形、円脚、短尖頭、長さ3~10cmほど。果実は2~2.5cm。
アッスー、アッスーワン
中葉系。葉は披針形、円~鈍脚、鋭尖頭、長さ7cmほど。果実は3~3.5cmと大きく、味は酸味があり甘さ控えめ。
ミウーダ
小葉系。葉は披針形、両端は鋭形、長さ4.5cmほど。果実は2cm以下で3~10個づつ集合して結実する。甘味が強く種も小さいので食べやすい。
イエロー
やや酸味があり2cmほどの黄色い実がなる。
ブランカ
熟した状態で淡い緑色の実がなる。
ジャボチカバ・サバラ
サバラ
果実は2~2.5cm
葉の付け根は丸く先がやや鋭い
ジャボチカバ・アッスー
アッスー
果実は3~3.5cmで大きい
葉の先が鋭く尖っている
ジャボチカバ・ミウーダ
ミウーダ
果実は2cm以下で房状
葉の付け根と先が鋭い


四季成りジャボチカバ 12年生 苗木
四季成りジャボチカバ 12年生 [グリーンプラントネットファーム]

特徴

本来は、高さ8~10メートルになる常緑小高木です。葉は楕円形で長さ10cmほど、新芽の頃はやわらかな赤色を帯びています。花は、両性花で大きさ1cmほどの白色、幹や枝に直接つく幹生花(かんせいか)です。地表近くの根っこからも開花し結実することもあります。開花後、7日ほどで緑色の実になります。

ジャボチカバの木 ジャボチカバの果実 ジャボチカバの花

果実は球形で2~4cmほど、熟すと果皮は黒紫色になりブドウの皮より硬く張った感じです。果肉は白色の半透明で多汁です。中にはブドウの種より大き目の種子が1~4個入っています。外観も風味もブドウの巨峰にそっくりです。自家結実性があり一本で実がなります。

ジャボチカバの葉
ジャボチカバの実の大きさ
ジャボチカバの実の断面


ジャボチカバの実
黒ダイヤとも呼ばれるジャボチカバの実

タネの蒔き方

果実を食べたその日に種を蒔きます。種は大きいものを選びます。種の周りについている繊維をできるだけ綺麗に取り、種まき用培養土などに蒔きます。1cmくらい覆土して発芽までは土が乾燥しないように管理します。発芽までは3週間~1ヶ月くらいかかるようです。
ジャボチカバの種子
あずきのようなタネが入っている

ジャボチカバ 発芽
発芽!ひょろひょろとした茎が伸びてくる

栽培のポイント、冬越し

高温多湿の日当たりを好みます。生育適温は15~30℃。春から秋までは屋外の日当たりの良い場所で管理します。最低気温が13℃を超えるようになってきたら屋外へだします。冬は、寒さには比較的強く、品種にもよりますが一時的に-3℃くらいまで耐えることができるので、強い霜が降りない地域では戸外でも越冬できます。しかし、低温に当てると春からの成長が鈍るので、10℃以下になり始めたら室内へ取り込んだほうが良いでしょう。日当たりの良い窓際などで管理します。できれば室内で15℃を保てば理想的です。

観葉植物として楽しむジャボチカバ
冬は室内で観葉植物として楽しめるジャボチカバ(陶器鉢11号)

用土と肥料、水やり

弱酸性(pH5.5~6.0)で水はけの良い肥沃な土を好みます。アルカリ土壌では生育不良になります。用土の配合は、赤玉土3、鹿沼土3、ピートモス2、腐葉土1、川砂1など。肥料は春から秋の間に3~4回に分けてやります。窒素、リン酸、カリの三要素が等分配合の有機質肥料などを規定量施します。肥料過多になると調子が悪くなることがあるので注意しましょう。乾燥を嫌うので、水遣りは比較的多めにやります。土の表面が乾きだしたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。夏場の高温期には特に水切れになりやすいので注意します。また、花芽や実がついている時期に水切れを起こすと整理落下を引き起こす原因になります。冬は乾燥気味に管理します。

仕立て方と剪定、植え替え

自然形仕立てで育てます。充実した太い幹や枝に実がつくので、細い枝は付け根から切ります。幹に日光が当たるようにすることがポイントです。込み合っている枝も定期的に剪定して風通しをよくして樹冠内まで日が当たるようにします。植え替えは、数年おきに、本体と鉢のバランスが崩れてきたり、根が詰まってきたら植え替えてやります。生育適温期に、根鉢をあまり崩さずに一回り大きな鉢に植え替えてやります。

人工授粉

自家受粉性のため特に必要ありません。不安な場合は、筆などで軽く触り授粉しておくと良いでしょう。また、開花時に雨にあたってしまうと結実率が落ちるので注意します。

ジャボチカバの花と蕾

収穫と食べ方

開花後、約1ヶ月して、果実が黒紫色になれば収穫できます。未完熟だと酸味が強く、完熟していると糖度20度くらいになり非常に甘くほどよく酸味もあります。収穫後はすぐに味が変化していくので、できるだけすばやく食べます。夏だと15分で味が落ちます。とったその場で生食するのがベストです。保存は冷蔵庫で1~2週間が限界、冷凍して1ヶ月程です。果皮にはタンニンが含まれており渋いので、ジュースやジャムなどにする場合は皮を取り除いてから加工します。

ジャボチカバの実と皮
果皮も果実もブドウとそっくり

ジャボチカバの収穫
糖度の高いジャボチカバ [沖縄りゅうか商事]
カルピスを薄めたライチのような味で食感はナタデココを柔らかくした感じ!

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