キウイ
分類 | マタタビ科 マタタビ属 つる性落葉樹 |
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原産地 | 中国 |
耐寒温度 | -5℃ |
キウイフルーツ(kiwifruit)は、中国が原産でニュージーランドで改良され有名になった果物です。オニマタタビ(鬼木天蓼)という別名もあります。日本では略してキウイと呼ばれることが多く、英語圏では、チャイニーズ・グーズベリー(chinese gooseberry)ともいいます。ニュージーランドの国鳥キウイバードに果実の形が似ているところからその名がついています。種類はたくさんありますが、ヘイワードという果肉が緑色の品種がもっとも普及しています。近年では2000年頃から、ゴールドキウイ、ゴールデンキウイなどと呼ばれるニュージーランド産の果肉が黄色のキウイが流通され始めました。栽培に関しては、生育が旺盛で害虫の発生もほとんどなく、完全無農薬で栽培できるので魅力的な果樹です。関東地方以西なら一年中、戸外で栽培できます。結実年数は、苗からなら1~2年、実生で3~8年ほどです。
品種・種類
品種・種類はさまざまで、大きく分けて果肉の色で3パターンに分かれる。
- 緑色系→開花期は5月中~下旬、収穫期は11月上~中旬。授粉樹は、マツア、トムリなどが良い。
- 黄色系→開花期は5月上~中旬、収穫期は10月中~下旬。授粉樹は、孫悟空、ロッキーが良い。
- 赤色系→開花期は4月頃、収穫期は9月中旬~11月中旬。授粉樹は、早雄(そうゆう)、ロッキーが良い。
緑色系の品種
- ヘイワード
- 世界中で最も普及している品種。大実で貯蔵性に優れている。収穫後、冷蔵庫で6ヶ月も保管できるそうです。1924年頃に、ニュージーランドのHayward Wright氏によって作り出された品種。
- 香緑 (こうりょく)
- 俵形の大実で豊産性。ヘイワードよりも糖度があり果汁も多い。ヘイワードの偶発実生品種。香川県生まれ。同じ花にオシベもメシベもあり1本で結実する改良種もある。また、トムリなどの雄木を接いで一本としているものもある。
- スーパーエメラルド
- 雌雄同花がつく品種で1本で結実する珍品。別名『ダンディライオン』ともいわれる。鮮やかなエメラルドグリーンの果肉で100g程度の果重、ヘイワードより糖度が高くさわやかな風味。
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黄色系の品種
- ゴールデンキング
- 緑系の品種より実が大きく、卵型で表面に毛がない。酸味、甘味が共に強い。中国生まれ。中国名は「廬山香」。廬山(ろざん)という地名から名が付いている。
- センセーションアップル (アップルキウイ)
- 大実でリンゴの形に似ている。キウイの中では一番糖度が高いとされている。中国生まれ。中国名は「魁蜜(かいみつ)」。同じ花にオシベもメシベもあり1本で結実する改良種のアップルキウイもある。
赤色系の品種
- 紅妃(こうひ)
- 果肉の中心が紅色に染まるキウイ。果実は重さ80g前後。なめらかな食味の極甘品種。
- レインボーレッド
- 鮮やかな紅芯が目立つ。果実は重さ70~90g。酸味がほとんどなく凄く甘い。人気上昇中。
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特徴
草丈3m以上になるつる性の落葉樹です。巻きひげはなく、若い茎自体が巻きついていきます。花は、白色で大きさ約5cmで雌雄異株です。結実には同色の雄株と雌株が必要です。品種によっては1本で結実する雌雄両性花もあります。
花芽は前年枝の葉の付け根に形成され、その花芽から新梢が伸びて基部数節に着果します。葉は、大きく互生(ごせい)で長い葉柄があり、裏面には細かい毛が密集しています。若葉の頃は赤茶色でゆっくりと緑色になっていきます。冬は落葉します。
果実は熟すにつれて緑色から褐色がかった緑灰色に変化します。形状は長さ約8cmで卵形~俵形です。樹の中心部分近くについた果実には栄養が豊富に届くため、平べったく大きな実になり甘味も強くなります。緑色系の品種は果皮が毛に覆われています。種子は1果につき、およそ300~1000個入っており、種が多いほど糖度が高いそうです。
タネの蒔き方
できるだけ綺麗に洗い、種の周りの果肉をとり除いてすぐに蒔きます。種まき用の用土など清潔な土に植え、軽く覆土します。用土は乾かないように管理します。発芽は時期が悪いと数ヶ月かかる場合があります。春に蒔くのが良いでしょう。実生の場合は、花が咲くまで性別がわからないので、いくつか同時に育てます。勢いがあるのは雄株の確率が高いそうなので、間引く際はランダムに選んだほうがよいかもしれません。以下の発芽した小苗たちは、一番早く開花した株で3年かかりました。雌花と雄花の確率はちょうど半分でした。
- 種
- 発芽
- 約1ヶ月後
- 種まきして3年目の春に開花
- 開花後10日目
- 結実して1ヶ月目
栽培のポイント、冬越し
高温多湿の日当たりを好みます。関東地方以西で果実が成熟する9~11月に気温が高い地域での栽培が適しています。成木になれば、-12℃の低温にも耐えることができますが、秋や晩春(新芽や果実がつく時期)の-3~-7℃の霜や強い風が当たると被害がでる場合があるので注意します。落葉樹で耐寒性があるので冬越しは戸外で大丈夫です。病害虫の心配もほとんどありません。
用土と肥料、水やり
用土は肥えた水もち水はけの良い土(pH6.0~7.0)を好みます。果樹用の土や、自分で作る場合の配合は赤玉土6、腐葉土3、川砂1など。市販の園芸用培養土7、赤玉土3でも良いでしょう。肥料は3月、5月、11月に有機質肥料を規定量与えます。11月の施肥のとき、石灰を散布しておくと酸化を防ぎカルシウムの補給になります。水やりは、乾燥に弱いので夏場は特に注意します。土の表面が乾けばたっぷりと与えてください。冬は土が乾いて2~3日たって水やりします。
仕立て方と剪定、植え替え
地植えの場合は、棚仕立てが一般的ですが軒先に棚を作ったり、フェンスやパーゴラなどに誘引するのもよいでしょう。鉢植えの場合は、行灯やトレリスを設置して誘引します。実生からの場合は、小鉢から徐々に鉢増ししていき最終的に7~12号鉢に植えます。苗からの場合は、そのまま8号鉢くらいに植えつけます。幼木のころは勢いの良い枝を1本選んで主幹として育てていきます。トレリスや行灯の支柱につるが巻きつかないように誘引します。剪定は、夏の6月下旬~7月頃に込み合っている不要な枝を間引き剪定して樹形を整えます。着果している場合は、結果枝に日が当たるようにします。冬は、12月下旬~2月に前年果実のついた枝や込み合った枝を整理します。長く伸びた枝は長めに、短く伸びた枝は短めに残して切ります。着果した節からは芽がでないので、結果母枝はその分、長めに残す必要があります。植え替えは、11月~3月の落葉期にします。2~3年おきに根が詰まってきたら鉢増しを兼ねて植え替えてやります。落葉期以外の時期に植え替える場合は根鉢を崩さずに鉢増し植え替えが安全です。
- キウイフルーツの鉢植え ムーンライト 170cm
- ×蔓は巻きつかせない
キウイフルーツをパーゴラに誘引
人工授粉
風や昆虫によって受粉もしますが、人工授粉をしたほうが良いでしょう。人工受粉は晴れた日の午前中に、雄花を摘んで、雌花の柱頭につけてやります。
- 雄花
- 雌花
開花時期が合わない等で、雄花の花粉が準備できなかった場合には、キウイフルーツの受粉用花粉も市販されています。冷蔵庫で保存できるので、使いたい時に取り出して使えます。鉢植えでたくさん着果したら果実は良質なものを7~8個にして他は摘果します。葉4~5枚に1果が目安です。
収穫と追熟
11月中旬頃が収穫適期です。果肉が緑の品種は、収穫後1~2週間追熟します。なお、15℃以上の温度で追熟してしまうと、旨味が落ちます。果肉が黄色の品種は樹上で完熟して甘みがのる為、追熟の必要はありません。
食べ頃は、キウイの上のへた周辺部分と人間の鼻の頭と同じやわらかさになるとちょうど良いでしょう。
追熟の方法 その1
リンゴと一緒にビニール袋などに入れておくと、リンゴから発生するエチレンガスの作用で追熟が促進されます。リンゴは品種によってエチレンガスがほとんど出ないものもあるので注意してください。ビニール袋の口は完全に閉めないようにします。割合はリンゴ1個でキウイ10~20個くらいまで。リンゴがない場合はバナナでも代用可能です。
- 追熟に適したリンゴの品種
- ○エチレンガスを出す品種・・・ジョナゴールド、津軽、王林
- ×エチレンガスをほとんど出さない品種・・・サンふじ、フジ
追熟の方法 その2
キウイフルーツの実を机などに叩きつけ皮が破れない程度に衝撃を与えます。負傷したキウイはそのストレスで自らエチレンガスを放出するのです。これでリンゴと同じ効果が得られます。負傷キウイは1個作れば、他のキウイはビニール袋に一緒に入れておけばOKです。
机の角などに軽くぶつけて表面に傷をつける