イチジク

分類 クワ科 フィカス属 落葉高木
原産地 アラビア南部
耐寒温度 -10℃
生育適温 15℃~30℃

イチジク(無花果:いちじく)は、亜熱帯果樹の仲間で歴史は古く紀元前2700年にはすでにエジプトで栽培されていました。独特の熟した甘みと食感が魅力の果物です。日本には江戸時代に導入され当初は薬用に使われていました。その後、甘味を追及し改良され果物として各地で普及していきました。名前の由来は、枝についた果実が下から順に毎日一個づつ熟すところから「一熟」といわれ「イチジク」と呼ばれるようになったそうです。よく流通している果実はたくさんの品種の中でわすか2品種で、ほかにも皮ごと食べておいしいものや味や色、大きさなど、さまざまなものがあります。耐寒性もあり、初心者にも育てやすく家庭園芸に向いています。

苗の通販 イチジクの苗の商品検索ページへ
果樹苗通販ガイド

イチジク

品種・種類

イチジクの種類はすごく沢山あります。以下に、おすすめの代表的な品種をいくつか紹介します。

イチジク 早生日本種
早生日本種
イチジク ドーフィン
ドーフィン
イチジク ゼブラ・スイート
ゼブラ・スイート
イチジク ネグローネ
ネグローネ
イチジク ブラウンターキー
ブラウンターキー
イチジク セレスト
セレスト
イチジク カドタ
カドタ
イチジク ビオレソリエス
ビオレーソリエス
イチジク バナーネ
バナーネ
早生日本種
別名、蓬莱柿(ほうらいし)などと呼ばれる日本イチジクで、普及している品種。耐寒性が強く、東北地方でも栽培可能。秋果専用種。9月上旬~11月に収穫できる。実の重さは70g程度、皮は赤紫色。樹勢は強い。
ドーフィン
早生日本種と並んで普及している品種。夏秋兼用種。6月と8月~9月上旬に収穫できる。夏果は大きい果実が少量収穫できる、秋果は小ぶりの甘い実が沢山収穫できる。皮は、紫褐色。貯蔵性に優れている。
ゼブラスイート
別名、タイガーとも呼ばれる。秋果専用種。9月~10月頃に収穫できる。果実にストライプの縞模様が入っていて観賞価値が高い。縞模様が消えた頃が食べごろ。実の重さは、40~50g程度。甘味も強く香りもよい。糖度27度。豊産性。オシャレで家庭園芸におすすめ。
ネグローネ
別名、ボルドーとも呼ばれる。フランス原産。夏秋兼用種。8月上旬、8月下旬~9月中旬に収穫できる。果実は、重さ20~30g。皮につやがあり、色は紫黒色。実が小さい分、味が凝縮されており美味。外観が特に美しい品種。
ブラウンターキー
夏秋兼用種。6月下旬~7月下旬と8月下旬~10月下旬に収穫できる。夏果は重さ80g程度、秋果は重さ50g程度。皮は紫褐色。酸味が少なく果汁が多い。樹勢は弱くコンパクトに仕立てられる。
セレスト
秋果専用種。8月中旬~9中旬に収穫できる早生品種。実は20g程度で小ぶりだが、豊産性で沢山収穫できる。皮は淡紫紅色で皮ごと食べることができる。樹勢は普通。
カドタ
夏秋兼用種。7月上旬~7月中旬と8月下旬~10月下旬に収穫できる。夏果は重さ50g程度、秋果は重さ30~60g程度。皮は黄~黄緑色。樹勢は強い。
ビオレーソリエス(ビオレソリエス)
秋果専用種。8月下旬~11月中旬に長期間収穫できる。最高糖度23度と甘く、重さは50~110gほど。果皮は濃い紫色で果肉は鮮やかな赤色。寒さに強く裂果の少ない優秀品種。フランス原産。
バナーネ
夏秋兼用種。6月下旬~7月中旬と8月下旬~10月に収穫できる。重さは200g以上で最大320gも記録した世界最大級の品種。バナナのようなねっとりとした甘みが特徴。とても濃厚でクリーミーな味。フランス原産。
ブリジアソットグリース
夏秋兼用種。夏にも収穫できるが量は少ない。秋果は、9月~10月頃に収穫できる。実の重さ、50g程度。皮は緑色を帯びた紫黒色。酸味も甘味も強く美味。

様々なイチジク

特徴

イチジクの木

樹高2~4mになる落葉小高木です。鉢植えでは高さ1m前後です。樹の寿命は10~15年とされていますが、海外の最も環境の適した地域では、樹齢100年以上、樹高18mにもなる大木も存在しています。葉は大きく、葉形は品種により様々です。花は、イチジクを漢字で書くと無花果と書くように、咲かずに結実します。正確には実の内側にある赤いつぶつぶの1つ1つが花で、花を覆っている部分を花嚢(かのう)といいます。その花と花嚢がイチジクの果実とされています。果実は、腋芽とよばれる葉の付け根部分につけます。人工授粉も必要なく一本で結実します。

イチジクの新梢

イチジクの果実
果実の内側に花がある

一般的にイチジクは雌雄異株で、雄株と雌株があります。現地では、送粉者としてイチジクコバチという蜂が共生しており、雄株から花粉を運んで雌株に受粉します。しかし、日本で栽培されているイチジクは雌株だけでもおいしく熟すように品種改良されており、またイチジクコバチも存在しないため、流通している実は受精されていません。イチジクを実生で育てたい場合は受粉されている果実を入手しないと不可能なようです。外国産の乾燥イチジクから採取した種子は受粉されているものが多く発芽した例もあるようです。

栽培のポイント、冬越し

日当たりのよい場所で育てます。日当たりはあまりよくなくても木は育ちますが、果実に日が当たらないとおいしくなりません。葉が大きく水切れに弱い植物なので、特に夏場には注意します。真夏は西日が早く陰る場所に置くとよいでしょう。生育適温は15℃~30℃で夏場に30℃を超えると成長が鈍りだし38℃以上になると果実に障害が出てきます。果実は、葉1枚に1果を目安に摘果すると、実がおおきくなります。冬は、落葉します。越冬は、栽培地域が関東地方以西であれば戸外で大丈夫です。冬の冷たい北風が当たらないような場所におきます。もともとは亜熱帯原産の植物で寒さには弱いので、成木になるまでは、室内に取り込んだほうが安心できます。寒い地域での栽培は、耐寒性の優れた早生日本種がよいでしょう。成木で-10℃くらいまで耐えることができます。

用土と肥料、水やり

水はけがよい用土であれば、土質は特に選びませんが、若干アルカリ性の土を好みます。配合は、野菜と花の土7に赤玉土3など。肥料は、油粕などの有機質肥料でカリウムを多く含むものがよいでしょう。3~10月の間は月に一回、規定量施します。表土に有機石灰を蒔いておくと、果実のカルシウム補給、雑草防止、土の乾燥防止になり効果的です。水やりは、表面が乾いたらたっぷりとやります。水を好む性質なので、特に夏場は水切れに注意します。

仕立て方と剪定、植え替え

仕立て方は、自然樹形で育てていくか、一文字仕立て(一文字整枝)にします。「一文字仕立て」とは枝を水平に仕立てる栽培方法の事です。イチジクは枝を横に誘引すると芽が均等にふいてくる性質があり、その特性を利用した一文字仕立てならば、奥行きがない壁側などにも置くことができ便利です。剪定は、落葉期の2~3月に伸びた枝に芽が2つずつ残るようにカットします。実がついている期間は、実になるべく日が当たるように、葉を整理します。植え替えは、根が詰まってきたら鉢増しも兼ねて1年おきくらいを目安に植え替えてやります。

イチジクの鉢植え
イチジクの鉢植え

一文字仕立て その1

イチジクの一文字仕立て
図1/一文字仕立て 枝に芽が2つずつ残るように剪定する

図1のように支柱を固定し主枝を2本決め左右に誘引していきます。植え付けは、7号以上の鉢に植えます。ポット苗の根がかなり回っていたら根鉢の底面をある程度切って植えつけます。苗が長すぎたら植え付け時に、高さ30~50cmほどに切り戻しておきます。

一文字仕立て その2

寝かせて植えるイチジクの一文字仕立て
図2/苗を寝かせて植える一文字仕立て

深さ25センチほどのコンテナを用意します。ポットから苗木を取り出し根を軽くほぐしたら、コンテナの中で横向きにして寝かせて植えつけます。春に枝が伸びてきて葉が混み合うようになったら枝を10cm間隔に間引き剪定します。収穫後、葉が落ちたら、寝かせた方向と反対側に伸ばす枝を地面と水平になるように針金や支柱などを利用して誘引していきます。図2のような一文字仕立てが完成したら小さなスペースでたくさんの果実が収穫できます。

病害虫

高温多湿になると果実が腐敗していく「炭素病」、風通しが悪いと赤い斑点が葉の裏に出る「さび病」が発生することがあります。このような病気が発生した葉や果実はすばやく取り除きます。害虫では、カミキリムシの幼虫が幹に入り込むことがあります。スミチオンなどの殺虫剤で退治します。

収穫と食べ方

品種によって、夏と秋の2回収穫できるものがあります。結実したら、4~6週にわたり1週間ごと収穫できます。枝の下から順に実が熟していくので、色づいてやわらかくなってきたら下から順に収穫していきます。熟した果実は垂れ下がってきます。

イチジクの樹液
実をちぎると樹液がでて皮膚に付くとかぶれることがあります。樹液は振り落としましょう。

果実が熟していくときに雨に当たると痛む場合があるので注意します。イチジクの目と呼ばれる部分に植物油を数滴つけると収穫期を早めることができます。果皮が変色し始めて目の色が淡桃色になったときに、オリーブ油、菜種油、大豆油などをスポイトやストローを利用して目の穴に数滴注ぎます。うまくいくとその後果実が急激に肥大して一週間後には収穫できます。

イチジクの目
イチジクの目に植物油をつける

食べ方は、冷蔵庫で冷やしてそのまま生で食べるほか、生ハムと生クリームでアレンジしても相性バッチリです。 乾燥させてドライフルーツにしたり、ジャムや果実酒にしてもおいしくいただけます。

生ハムイチジク

スポンサード リンク