アボカド

分類 クスノキ科 ワニナシ属 常緑高木
原産地 中央アメリカ、メキシコ
耐寒温度 -5℃
生育適温 15~33℃

アボカド(avocado)は、中央アメリカ原産で主にメキシコで栽培されている熱帯果樹です。日本に輸入されているアボカドはほとんどがメキシコ産のハスという品種の果実です。栄養価がとても高く脂肪分を多く含むため「森のバター」といわれています。また、脂肪分の80%以上が不飽和脂肪酸のためコレステロールの心配もなく人気の高い食材です。果実の表面がワニに似ているところから別名、ワニナシ(alligator pear)とも呼ばれます。アボカドをアボガドとよく言い間違いされますが、アボガドだと弁護士(abogado)という意味になるそうです。栽培は、耐寒性も強く生育旺盛で簡単に育ちます。葉も美しいので観葉植物としても最適です。タネを水栽培で発芽させ部屋のインテリアとして楽しむことも流行っています。結実年数は接木苗で3~4年、実生で4~6年です。

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アボカド

品種・種類

アボカドは世界中で3000品種以上あり、大きく分けて、メキシコ系、グアテマラ系、西インド諸島系、雑種に分かれます。

  1. メキシコ系→耐寒温度-7℃、小果、果皮は薄くてやわらかい。
  2. グアテマラ系→耐寒温度-5℃、大果、果皮は厚く粗面で粒状。
  3. 西インド諸島系→耐寒温度-2℃、中果、果皮は厚く革質で平滑。
  4. 雑種→メキシコ系と他の系統との掛け合わせ。

基本的に自家結実性がありますが、1つの花が時間帯によって雌花になったり雄花になったりする雌雄異熟花のため自家受粉が起こりません。その開花パターンは2種類あり、異なる開花タイプの品種を混植すると結実しやすくなります。

  1. Aタイプ→1日目の午前中に雌しべが開花し午後に閉じ、2日目の午後に雄しべが開花する。
  2. Bタイプ→1日目の午後に雌しべが開花し夕方に閉じ、2日目の午前中に雄しべが開花する。

以下におすすめの主な品種を紹介します。

ハス(Hass)
開花はAタイプ。収穫時期は1~2月。果重200~340g。耐寒性(-2℃)。果皮はゴツゴツしており分厚く完熟果は黒紫色。日本で最も流通している品種。グアテマラ系。
メキシコーラ(Mexicola)
開花はAタイプ。収穫時期は9~10月。果重は100g前後の小玉。耐寒性が最強(-6.7℃)。皮が非常に薄い。メキシコ系。
フェルテ(Fuerte)
開花はBタイプ。収穫時期は11~12月。果重220~400g。耐寒性(-3.3℃)。果皮は滑らかで薄く完熟果は緑色。世界的に最も人気がある品種。樹勢は強く耐寒性もあり実の品質も良い。メキシコ系×グアテマラ系。
ベーコン(Bacon)
開花はBタイプ。収穫時期は10~11月。果重220~340g。耐寒性が強い(-4℃)。大ぶりでまるっこい果実。果皮は滑らかで完熟果は緑色。メキシコ系×グアテマラ系。
ピンカートン(Pinkerton)
開花はAタイプ。収穫時期は12~1月。細長い洋ナシ形で、果重300~500gと大玉。耐寒性(-1℃)。グアテマラ系。
ズタノ(Zutano)
開花はBタイプ。収穫時期は12~1月。果重は300g前後。耐寒性が強い(-4℃)。最も育てやすい品種。メキシコ系×グアテマラ系。

特徴

本来、高さ20mほどになる常緑高木です。鉢植えでは樹高1~2mほどです。葉は長さ10~20cm前後、若葉のころは褐色で次第に緑色になってきます。花は、両性花で円錐花序(えんすいかじょ)を形成し、大きさ1~1.5cmほどの小さな黄色の花を無数に咲かせます。花芽分化は11月頃から始まり開花時期は5~6月頃です。春に延びた新梢に花芽がつきます。雌雄異熟花で雌花と雄花の開花時間にズレがあり、1品種だけでは結実しにくいので混植したほうが良いでしょう。花はたくさん咲きますが結実するのはほんのわずかです。

アボカドの木 アボカドの円錐花序 アボカドの花

果実は、球形~洋ナシ形で大きさ10~20cm、重さ30g~1.5kg、果皮は光沢があり、色は緑色や黒色、表面はごつごつしたものや滑らかなものまで品種により様々です。果肉は黄緑色~クリーム色で熟しても甘味はほとんどないため、野菜として利用されます。種子は球形で大きく果実の中心部分に1つ入っています。

アボカドの果実

タネの蒔き方

果実を食べた日にすぐ蒔きます。果肉には発芽抑制成分が含まれているので、種は綺麗に水洗いします。できれば薄皮も剥がしたが良いでしょう。用土は赤玉土などの清潔な土を使います。種は尖ったほうが上です。上下を間違えないように半分程度、土に埋めます。種を用土にセットしたら水をやり、発芽までは用土が乾かないように管理します。1ヶ月くらいで発芽します。発芽温度は20℃以上必要で、種まきの適期は5月~7月です。

アボカドの発芽
発芽
アボカドの発芽後半年
約半年後

水耕栽培でも発芽します。容器に水を入れ、種は3分の1程度つかるようにします。種に爪楊枝を刺すと容器に固定しやすいです。明るい窓辺などに置き、水が減ったら足します。およそ3週間くらいで根がでてきます。ある程度育ったら土に植えてやりましょう。

アボカドの水栽培

栽培のポイント、冬越し

日当たりがよく冬は暖かい場所で育てます。熱帯果樹ですが耐寒性は強いので、関東南部以西であれば一年中、戸外で栽培できます。生育適温は15~33℃。本来は大木になる木なので鉢植えの場合はできるだけ大きな鉢に植えてやります。ある程度大きくなったら庭植えが理想的です。冬は、寒風に弱いので防寒対策をしたほうが安心できます。幼木の頃は、気温が5℃以下になったら室内へ取り込みましょう。

観葉植物として楽しむアボカド
冬は室内で観葉植物として楽しめる人気のアボガド(フェルテ)高さ約127cm 7号鉢

用土と肥料、水やり

水はけの良い酸性の用土を好みます。自分で作る場合は、赤玉土6、ピートモス3、川砂1の配合など。市販の園芸用培養土でも問題ないでしょう。肥料は、3月と9月に緩効性化成肥料などを控えめに施します。水遣りは、用土の表面が乾いたらたっぷり与えます。夏場は乾燥しやすいので注意します。

仕立て方と剪定、植え替え

自然樹形や模様木仕立てで育てます。幼木のころは枝が折れやすいので、できれば支柱を立てて固定したほうが良いでしょう。鉢とのバランスを考えてある程度の高さ(表土から30~40cm)で摘心し側枝を増やします。成木になるまでは切り詰め剪定を繰り返し、成木になったら日当たり、風通しが良くなるよう込み合った枝を間引いていきます。剪定時期は3~5月頃が良いでしょう。植え替えは、数年おきに根が詰まってきたら鉢ましを兼ねて植え替えてやります。根づまりすると根ぐされの原因になるので注意しましょう。アボカドは根が弱いので根鉢をできるだけ崩さずに植えつけ植え替え作業をしましょう。鉢植えの場合は最終的に12号鉢以上が良いでしょう。植え付け植え替えの適期は5~6月上旬です。

アボカドの鉢植え

人工授粉

両性花ですが雌雄異熟花のため、開花タイプの異なる授粉樹があったほうが着果しやすいです。風や虫によって受粉しますが結実率を上げるために人工授粉をしたほう良いでしょう。午前中に雄花が開花する品種から筆などで花粉を採り、午前中に雌花が開花する品種につけてやります。午後はその逆をします。1つの品種で人工授粉をする場合は、まず雄花が開花したら花粉が入っている葯(やく)を摘み取り冷蔵庫で保存します。そして雌花が開花したらその花粉で受粉してやりましょう。気温の条件によっては雌花と雄花の開花が重なることもあり1品種で自家受粉することがあります。

アボカドの庭植え

アボカドの幼果
受粉が成功すると膨らんでくる

収穫と食べ方

収穫時期は品種によって異なり11月~3月頃までです。西インド諸島系は熟すと自然に落下します。メキシコ系、グアテマラ系は熟しても落下しないため、十分に油分が保有していればいつ収穫してもかまいません。できるだけ樹上で熟すと果実は肥大しつづけ油分が多くなり濃厚な味になります。収穫後は室温(適温は25℃)で1~2週間、追熟させます。果皮が黒っぽく変化してやわらかくなった頃が食べごろです。果皮の色が変わらない品種はやわらかさで判断しましょう。追熟は気温が高いほど早く、リンゴなどエチレンガスがでる果実と一緒に袋に入れても短い期間で追熟し柔らかくなります。

食べ方は、スライスしてわさび醤油でシンプルに食べるほかサラダにしてもおいしくいただけます。果肉は切断面が空気に触れると酸化して茶色に変色してくるので、レモンやライムまたはオリーブオイルをかけてラップすることにより変色を防ぐことができます。また、便利グッズとして皮むきとスライスを同時にこなすアボカドカッターなる商品も市販されています。

アボカドのサラダ

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