実生栽培

実生(みしょう)とは、種から発芽した状態の植物です。その状態から栽培をすることを実生栽培といいます。また、食材の残り(種)を利用した栽培を「食べまき」とも呼ぶそうです。タネを蒔いて育てることは苗を買ってきて育てるのとはまた違った喜びがあります。

トロピカルフルーツの種を植えてみよう

トロピカルフルーツは海外の温暖な地域でしか育たないイメージがあり、種を蒔いても育てるのはとても無理だと思っている人が多いのですが意外と簡単に芽を出し育てることができます。開花や収穫までは時間はかかりますが、発芽から毎日成長していく過程をながめていると愛着も湧き楽しいものです。特にトロピカルフルーツは成長が早く実生栽培に向いています。果実が実るまでは一苦労ですが、葉も綺麗なものが多く、観葉植物としても楽しめます。食べて種を蒔き、育て、収穫し再度食べることができれば感動ものです。

パパイヤの種
パパイヤ

熱帯果樹の種はすぐ蒔く

トロピカルフルーツの種子は食べたらすぐ蒔かないと発芽しないものが多いです。逆にアケビなどの日本の落葉樹の種子は冬の寒さ体験したあとでないと発芽しません。また、海外から輸入された果実は輸送の際、低温に置かれたものや放射線で殺菌処理されたものは発芽しない場合があります。

おいしい実がなるのかどうか

多くの果樹は品種改良が繰り返し行われており、おいしい果実がなるようになったものです。一般的には、そのおいしく改良された果物の種を蒔いても親よりも劣り、おいしい実はできないとされています。この方法で苗を増やされると種苗屋さんが困るので「食べた後の種を蒔いてもおいしいものができない」ことにしているのかもしれません・・・。しかし、ビワや柑橘類、品種改良があまりされていない熱帯果樹などは、おいしいものができる確率が高いのです。家庭で楽しむ分には十分です。本当においしい実がなるかどうかは、自分でやって確かめるほかありません。

面白い特徴をもった株になることもある

種から育てると挿し木などで増やしたクローン苗とは違い、それぞれが別物です。寒さに強い株になったり、成長が早い株になったり、果実が大きかったり小さかったり、面白い独自の特徴をもった株になることがあります。実生だと突然変異を起こしやすいので、凄くおいしい実ができる可能性もあるのです。たとえば、キウイフルーツの香緑という品種はヘイワードのタネを蒔いて育成されたものです。香緑はヘイワードとサイズや形が違うほか糖度も親よりも高く、実生から育てた良い成功例です。しかし、逆にいえば、親と違う性質になるので、安定したおいしい果実の収穫だけが目的ならば、ちゃんとした苗や種を購入するほうがよいでしょう。

パッションフルーツの種
パッションフルーツの種

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